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MyQuickVer9.1にてリリースしたGPT連携機能を実際に試してみた

OpenAI社のChatGPTが2022年11月30日に公開され、AIの進化や活用に期待されるようになってきました。 MyQuick Ver9.1にもGPT連携機能としてクラウド版限定で2025年1月にGPTを活用する機能を搭載しました。 今回はこのGPT連携機能でどのようなことができるのか、その精度はどれくらいなのか、をご紹介します。

GPT連携機能とは

GPT連携機能はAzureOpenAIサービスと連携して、AIを活用するための機能です。
今後様々なAI活用を行うことを想定し、その第1弾として、GPTを利用した高い精度の解析を行うことができます。

 

GPT連携機能を利用するための下準備

(1)対象の選定

今回はMyQuickでよく管理されている「契約書」を対象に試してみます。

(2)AI抽出項目の設定

 保存する文書に合わせて管理したい情報が何かを決めます。今回AIで抽出する情報は下記です。

  1.  金額区分 (月額/総額/記載なし
  2.  取引金額
  3.  取引先名
  4.  契約書区分 (基本契約/NDA契約、など)
  5.  契約締結日
  6.  契約開始日
  7.  契約満了日
  8.  自動更新の有無 (あり/なし)
  9.   契約期間(ヶ月)
  10.   契約更新確認期限
  11.   説明
  12.   残存条項 
  13.   取引先署名者
  14.   取引先署名者部署名
  15.   取引先署名者役職
  16.   取引先住所
  17.    三社間契約確認 (あり/なし)

 通常の契約書管理で入力するような項目に加えて、管理したいけど入力の手間がかかってしまい、管理を見送るような項目も対象にします。

 また、解析が難しそうな残存条項や納品物についても試してみます。

 さらに三社間契約などの場合、1社までしか入力できないため、後から修正するデータを絞るために三社間契約の確認の項目なども用意しました。

(3)指示(ヒント)を与える

次に抽出の際に追加で指示(ヒント)を与えます。うまく指示を与えることができれば精度向上や値の統制が期待できます。

例えば、抽出の際に自社が抽出されないように、「インフォコム株式会社」以外を抽出してほしいということを伝えます。

実際に、今回抽出する際に設定した各項目向けの指定は下記のような内容です(一部抜粋)。

(4)処理の条件を決める

今回は複数のデータをまとめて登録します。そのためにAI自動入力を起動させる条件を指定します。

今回はAI用のステータスに何も入力されてなかったら起動させます。

処理が失敗したときに繰り返し処理されないように、成功/失敗にかかわらず処理された際に入力される値も指定しておきます。

 

AI自動入力の実行

では実際に登録してみましょう。今回はダミーデータを40種類用意しました。
15パターン程度の契約書を甲乙の記載を入れ替えたりしています。

(1)ファイル格納

まずは特定のフォルダを開きます。

そして、このフォルダにドラッグ&ドロップでポイっと投げ込みます。

無事格納されました。

(2)処理を待つ

定期的に処理されますので、少し待ちます。

(3)結果を確認する

更新ボタンを押して結果を確認してみましょう。

入力自体はすべてAIが処理することができました。
さらに文書の詳細を見てみます。

(中略)

※登録したデータはすべてダミーの契約書です。実在する会社等とは何ら関係はありません。

 

AI自動入力の結果確認

次にすべての契約書を見て、精度を確認してみます。

ここで、うまく抽出できていない場合は指示(ヒント)をさらに具体的に書いたり、ニュアンスを変えたりすることで抽出される場合があります。

何回か指示を調整した結果や考察は以下の通りです。

(1)結果(精度高:95%~100%正解 精度中:85~95%正解)
  1.  金額区分(月額/総額/記載なし):精度高
  2.  取引金額:精度高
  3.  取引先名:精度高
  4.  契約書区分(基本契約/NDA契約、など):精度中
  5.  契約締結日:精度高
  6.  契約開始日:精度高
  7.  契約満了日:精度高
  8.  自動更新の有無(あり/なし):精度高
  9.  契約期間(ヶ月):精度高
  10.   契約更新確認期限:精度高
  11.   説明:精度高
  12.   残存条項:精度中
  13.   取引先署名者:精度高
  14.   取引先署名者部署名:精度高
  15.   取引先署名者役職:精度高
  16.   取引先住所:精度中
  17.   三社間契約確認(あり/なし):精度高

ほとんどの項目が高精度で入力されていることが確認できました。

(2)誤抽出した箇所の考察
  • 契約書区分:意図していない区分を指定してしまう場合がありました。しかし、人が入力しても、どの区分に当てはまるかを考えるような契約書などもあり、AIの精度としては及第点であるかと思います。また、今回は様々な契約種別を混在させて試しましたが、契約種別の種類が少ない場合は精度の向上に期待ができると考えます。
  • 残存条項 :明確な残存条項の記載がない場合に抽出できないケースがありました。
  • 取引先住所:自社の住所を抽出してしまうケースがありました。ただし、このような場合は誤抽出であることがすぐにわかるため、実際の運用への影響は少ないと考えられます。
  • 三社間契約確認(あり/なし):三社間契約などは甲乙丙までの記載はあるものの丙は連帯保証人ということで三社間契約としてみなされなかったケースがありました。ただし、こちらは2件中1件のみなので、自社が甲・乙のどちらの記載かによって結果が変わる可能性があります。

 

まとめ

GPT連携機能を利用することで、高精度でたくさんの項目が自動入力できることがわかりました。

入力の手間を減らすだけではなく、これまで管理するには手間となってしまうため、入力を見送っていた管理項目を手間なく入力させることができるため、管理精度の向上も期待できるのではないでしょうか。

一度トライアル利用でGPT連携の精度を試してはいかがでしょうか。

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